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レビュー:帰属する場所はどこにある? サマーホール、エディンバラ・フリンジ ✭✭✭✭
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ポールデイヴィス
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ポール・T・デイヴィスが、今年のエディンバラ・フリンジにてサマーホールで上演される『Where to Belong』をレビュー。
写真:マーク・ブレナー Where to Belong サマーホール(エディンバラ・フェスティバル・フリンジ)
2019年8月9日
星4つ
フリンジの“掘り出し物”に出会えるのは、たいてい早朝だ。早起きしてでも回る筋金入りのフェス通が集まっているような時間帯に、ふと足を踏み入れた先で、心に長く残る一本に巡り合う。そこで登場するのがヴィクター・エセス。彼は自らの空間と人生、経験、そして心を私たちに差し出してくれる。「あなたにとって“家”とは何ですか?」 エセスはユダヤ系レバノン人であり、ブラジル人であり、ゲイでもある。本作は“居場所”と同じくらい“逃れること(フライト)”についての作品でもある。彼の母は内戦から逃れ、レバノンを離れて避難したのだ。
これは、視線を交わすことの作品であり、親密さの作品であり、幼少期の記憶や旅路の物語を通して胸を打つ作品でもある。彼は私たちに、この世界のなかで自分の場所を見つけること、そして誰と人生を分かち合うのかを問いかける。穏やかで正直で、押しつけがましくない観客参加があり、気づけばあなたも心を開いている。
エセスがあなたに向けて心を開いてくれていること自体が特別に感じられる。そして2017年、ブラジルで右派で同性愛嫌悪の強い大統領が選出されたことを思えば、彼の物語はいっそう切実だ。フェスティバルの一日を始めるのにこれ以上ないほど美しく、ぜひこの温かな抱擁を受け取ってほしい。
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